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    海外学会参加報告

    2015/06/12

    第106回アメリカ癌学会(AACR)参加体験記

    泌尿器科教室 倉 由吏恵

     世界最大規模を誇るアメリカ癌学会(AACR)ですが、今年も有難いことに研究室から私とマルコ先生で参加させてもらいました。
    また現地では愛知医大の吉川先生ともご一緒させていただきました。

    この学会は癌研究の最先端の国際会議であり、アメリカ以外からも多くの国から出席者があり非常にスケールの大きい学会と言えます。今年はペンシルバニア州フィラデルフィアで行われ、開催期間は4月18日から4月22日の5日間でした。

     学会参加にあたり、フィラデルフィアへはサンフランシスコ、ワシントンダレス経由のフライトをマルコ先生と2人で予定していましたが、まさかのサンフランシスコでパイロットが遅刻し飛行機がなかなか離陸しないというハプニングに見舞われました。

    シートに着席して離陸を待っていると隣のアメリア人の女性に「Delayed!(遅延だわ!)」と教えられ、なんともう一度飛行機を降りる事になったのです。(その女性に教えられましたが、アメリカではテロ対策の為、乗客をのせたまま、飛行機が離陸しなければ罰金を航空会社が支払う義務があるそうです) 空港スタッフに私達は次の乗継便に間に合うかを問いただしましたが、「大丈夫、間に合うはず!それにフライト変更するならサンフランシスコに8時間滞在だね」と言われ渋々、フライトを変更せず、いつ飛ぶかも分からない飛行機を待ち続け緊張しながらワシントンに向かいました。

    が……最悪なことに夜11時のダレス空港にて、フィラデルフィア行きの最終の飛行機が目の前で飛んでいきました。嘘つき!ヒドイワ!と叫びつつ再び空港スタッフとの交渉です。

    もう一度セキュリティーを行き来する手間と翌日の朝5時のフライトの早さに負け、私たちは空港のホテルは利用せずレンタカーでフィラデルフィアのホテルに向かうことにしました。

    およそ3時間の深夜のドライブです。アメリカの夜のハイウェイを体験できましたので、ある意味貴重な経験でした。

    ロダン美術館

    ようやっとたどり着いたフィラデルフィアは、都市部は非常に綺麗な街でした。
    近代的なビルと緑が美しい公園は素晴らしく、また学会会場の近くにはロダン美術館があり入口には有名な考える人( The Thinker)の彫刻がありました。
    そして近くにはフィラデルフィア美術館もありました。館内には入っていませんがここはかの有名なロッキーの舞台となった場所で有名な観光スポットなので思わずロッキーの銅像の前ではポーズを取ってしまいました。

    またフィラデルフィアはアメリカ最古の都市でありアメリカ独立宣言が執り行われた場所ですので、独立記念館や自由の鐘などがありました。いずれも学会会場のコンベンションセンターに近いので観光することができよかったです。

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      フィラデルフィア美術館前にて 吉川先生のファイティングポーズ
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      マルコ先生、吉川先生ロッキーのごとくダッシュ
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      ロッキーの銅像の前でひとつ

    1. フィラデルフィア美術館前にて 吉川先生のファイティングポーズ
    2. マルコ先生、吉川先生ロッキーのごとくダッシュ
    3. ロッキーの銅像の前でひとつ

    マルコ先生とラッセル先生

    フィラデルフィアでもう一つ名物と言えるのがフィラデルフィアチーズステーキです。
    これこそアメリカという感じのサイズとダイナミックな味でした。およそフランスパンの半分のサイズ(約30cmぐらいにたっぷりとスライスされたビーフと、これでもかと思われるチーズを挟んだ非常にお腹にたまる一品ですが、なんとか完食しました。

    味はおいしいですが、なかなかのボリュームなので日本人は誰かとシェアすることをおすすめします。

    実際のチーズステーキ トッピングやチーズの種類も選べます

    ただ、マルコ先生とその同級生で現在テキサス大学にて病理を専門とされている先生ともお食事をご一緒にさせてもらっていたのですが、まさかのフィラデルフィアチーズステーキのはしごをするとは思いもよりませんでした。
    店によってチーズの味が違うから!と言っていましたが、正直フランスパン1本分食べるの?と思ったのも事実です。

    さらにもう一軒、こってりデザートを食べに行かれた姿を見て真のアメリカを感じてしまいました。ビッグ・アメリカ……。

    このチーズステーキを食べたのは昼の3時という微妙な時間でしたが、胃が少し弱めな私は夜も全然お腹が空きませんでした。日本から持参した味噌汁が夜ごはんになるとは思いもよりませんでした。
    以後このアメリカ滞在中はずっと時差ボケと食べ過ぎに苦しんでいきます。本当にこの点だけは必ずリベンジしたいと思います。
    あともし機会が来年もあるのであれば味付け海苔とか……持っていきたいと思います。私は醤油味が恋しくなるタイプでした。

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      パッツ・キング・オブ・ステーキ 老舗です 1軒目はこちら
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      ライバル店 ジーノス・ステーキ 2軒目はこちらで食べ比べ

    1. パッツ・キング・オブ・ステーキ 老舗です 1軒目はこちら
    2. ライバル店 ジーノス・ステーキ 2軒目はこちらで食べ比べ

     さていよいよ、本題の学会に参加していきます。
    今回は事前にAACR2015のアプリをダウンロードしてきましたが、こちらが大活躍しました。
    なんといっても規模の大きい学会です。

    エントランス 広大かつ荘厳ですね こちらで参加登録します

    聞きたい演題や見たいポスターをアプリでスケジュール管理し、アプリの地図で部屋や場所を確認しながら会場を歩き続けました。特に今回のコンベンションセンターは横に3つの建物が並んでおり、建物間の移動も多かった為、方向音痴な私はアプリにひたすら従っていました。
    吉川先生と一日の終わりにスマホの歩数計を毎回チェックしましたが、お互い毎日平均2万歩程歩いていました。確実に普段よりも足が疲れました。広いですね!

    メインホールになります

    私は主にP13K経路やJAK/STAT経路、オートファジー関連の演題を聞きに回りました。まだまだ完全に理解しているとはとても言えませんが、自分の勉強不足な点や新しく興味を持った事を日本に持って帰り勉強を続けていきたいと思いました。
    そして今年も抗PD-1抗体をはじめとするがん免疫療法に関連する演題が増えていると思いました。

     メインのポスター発表もしてきました。
    私の担当は「Evaluation of Pim-1 kinase inhibition in a preclinical model of mouse prostate cancer」というタイトルになります。

    ポスター展示

    当研究室で確立した前立腺癌特異的PTENノックアウトマウスへのPim-1キナーゼ阻害薬であるAZD1208の治療効果の検討です。
    セリン/スレオニン・キナーゼであるPim-1キナーゼはある種の白血病や前立腺癌で高発現しており、細胞の癌化や癌細胞の増悪などを促進すると言われています。

    そこで私たちは前立腺癌においてPim-1キナーゼの役割を調べると共に、ホルモン依存性・去勢抵抗性前立腺癌へのPim-1キナーゼ阻害薬の抗腫瘍効果を、前立腺のみでPTENを特異的に欠損させた多段階発癌マウスモデルにて検証しました。

    質問に回答中の私 無我夢中です

    AACRのポスター発表は午前と午後の部に分かれており、発表者はポスターの横に立ち続け質疑応答に答える形式になります。AACRで今までは一人でポスターの前に立つことがなかったので正直かなり緊張しました。
    当然ながら会話は全て英語なので、質問を理解しきちんと伝えることができるのかといった不安にドキドキしながらポスターの傍で待ち続けます。結果、怒られたり呆れられたりすることもなく、自分なりには対応できたと思います。

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      学会会場建物入口
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      吉川先生とマルコ先生
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      マルコ先生と私
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      丁寧な説明を続けられる吉川先生
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      熱い議論が止まらないマルコ先生

    1. 学会会場建物入口
    2. 吉川先生とマルコ先生
    3. マルコ先生と私
    4. 丁寧な説明を続けられる吉川先生
    5. 熱い議論が止まらないマルコ先生

    普通の質問に答えるだけでなく、中国から来られた先生には逆に色々と教え励ましてもらい、アメリカの学生さんにはそもそも前立腺癌とは何か?という所から説明し、先生と生徒の二人組とは一緒にポスターの前で授業みたいにディスカッションを行う等、本当に様々な経験をさせてもらいました。

    国際学会に参加するということはこういうことなのだと自分なりに手ごたえを感じつつ、大きな刺激を受けとても充実した日を過ごすことが出来ました。
    より一層 本当にこのような機会を与えていただきまして、植村教授をはじめ当教室の皆様方に感謝いたします。ありがとうございました。

    泌尿器科教室 AACR2015発表演題タイトル一覧

    ポスターセッション
    「Evaluation of Pim-1 kinase inhibition in a preclinical model of mouse prostate cancer」
    「Inhibition of mouse PTEN-deficient prostate cancer with next generation antisense oligonucleotide targeting the androgen receptor」
    「Effects of long-term chloroquine chemotherapy in a preclinical model of PTEN-deficient prostate cancer」
    「Chloroquine demonstrates limited effectiveness in an autochthonous preclinical model of prostate cancer」
    「Preclinical effects of dual AKT/MAPK inhibition in PTEN-deficient prostate cancer」

    ミニシンポジウム
    「Preclinical activity of the AKT inhibitor AZD5363 in PTEN-deficient mouse models of prostate cancer」

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